板金工事業の工事保険料について

板金工事業は、金属板を加工して様々な製品や構造物を製作する専門的な工事業であり、建築、機械、電気設備など多岐にわたる分野で利用されています。主に、鋼板、アルミニウム、銅などの金属を使用して、屋根、外壁、ダクト、雨樋、金物類などを作成します。板金工事は、耐久性、耐腐食性、デザイン性を兼ね備えた建物の構造を支える重要な役割を担っています。

板金工事業とは

板金工事の作業プロセスは、まず設計図や仕様書に基づいて金属板を裁断し、曲げ加工や溶接を行います。これにより、必要な形状やサイズに加工された部品が完成します。次に、これらの部品を現場で組み立て、取り付けを行います。この過程には、正確な測定と精密な加工技術が求められます。

特に屋根板金工事は、住宅や商業施設の屋根を防水し、雨水の侵入を防ぐ役割を果たします。また、外壁の板金工事は、建物の美観を保ちながら、風雨から保護する重要な要素です。さらに、板金工事はダクト工事にも広く利用され、空調システムの一環として、空気の流通を効率的に行うために必要です。

最近では、環境への配慮からリサイクル可能な素材の使用や、省エネ効果を持つ設計が注目されています。特に、ソーラーパネルの取り付けに対応した屋根の板金工事や、環境に優しい塗料の使用が進んでいます。これにより、板金工事業は持続可能な建設の一翼を担っています。

また、板金工事は、高度な技術が求められる分野であり、専門的な技能や資格が必要です。板金技能士や溶接士の資格を持つ技術者が多く、熟練した技術者による高品質な施工が求められます。

総じて、日本の板金工事業は、建物の構造的な安全性や美観を支える重要な役割を果たしており、技術革新と環境への配慮を取り入れつつ、持続可能な社会の実現に向けて進化を続けています。

板金工事業社が工事保険に加入する理由

板金工事業社が工事保険に加入する理由は、主にリスク管理と経済的安定を図るためです。板金工事は、金属板の加工や取り扱いを伴うため、作業中の事故やトラブルが発生するリスクが高いです。例えば、作業員が重い金属板に挟まれたり、高所作業中に転落したりする事故が起こる可能性があります。また、板金を取り付ける際に周囲の設備や建物に損害を与えることも考えられます。

さらに、施工ミスや不具合が発生した場合、再工事や修理が必要となり、その費用が予想以上にかさむことがあります。工事保険に加入することで、これらのリスクに対する保障が得られ、事故やトラブルが発生した際の経済的負担を軽減できます。また、顧客に対して信頼性を示す手段ともなり、競争の激しい市場での優位性を確保するためにも重要です。安全で安心な施工を実現するために、工事保険は不可欠な要素です。

工事保険は、これらのリスクに対する補償を提供し、業者が経済的損失を最小限に抑える手段となります。例えば、工事中に発生した火災、風水害、盗難、第三者に対する賠償責任など、幅広いリスクをカバーします。さらに、保険に加入することで、事業の継続性を確保し、発注者や関係者に対して信頼性を高めることができます。

保険適用範囲 – どんなリスクをカバーできるのか？

労災補償

労働者の業務中の労働災害と労災訴訟によるご加入者の賠償責任を補償します。

第三者賠償補償

建設工事に伴って生じる不測の事故による、賠償事故を補償します。

建築・土木・組立工事補償

工事対象物に生じた損害を補償します。
（建設工事保険に各種特約をセット）

板金工事業の保険料

新規ご契約の方の保険料（目安）はこちら！

従来の賠償責任保険（板金工事業）

完成工事高	補償金額
完成工事高	1億円	2億円	3億円	5億円	10億円
5,000万円	89,510円	99,010円	107,650円	120,610円	141,000円
1億円	178,850円	197,680円	215,310円	241,570円	282,010円
1.5億円	261,450円	288,920円	314,670円	352,340円	411,090円
2億円	343,870円	379,990円	413,510円	463,100円	540,350円
2.5億円	399,690円	441,330円	480,730円	538,790円	628,470円
3億円	455,670円	503,190円	547,950円	614,130円	716,950円
5億円	552,100円	609,120円	660,960円	737,340円	854,320円
10億円	914,800円	1,008,460円	1,092,100円	1,214,780円	1,400,890円

最大約７０％

建設業互助会（建設事業）

完成工事高	補償金額
完成工事高	1億円	2億円	3億円	5億円	10億円
5,000万円	62,160円	68,760円	74,760円	83,760円	97,920円
1億円	124,200円	137,280円	149,520円	167,760円	195,840円
1.5億円	181,560円	200,640円	218,520円	244,680円	285,480円
2億円	238,800円	263,880円	287,160円	321,600円	375,240円
2.5億円	277,560円	306,480円	333,840円	374,160円	436,440円
3億円	316,440円	349,440円	380,520円	426,480円	497,880円
5億円	383,400円	423,000円	459,000円	512,040円	593,280円
10億円	635,280円	700,320円	758,400円	843,600円	972,840円

※上記表はあくまでも目安です。

板金工事の事故事例

◆ 労災事故の事例

① 屋根板金作業中の滑落事故
事例	傾斜屋根での板金施工中に足を滑らせ、約3m下の地面へ転落
結果	腰椎圧迫骨折で長期入院・リハビリ
補償内容	労災保険の療養・休業・障害補償など（総額数百万円）
対応保険	法定労災＋中小事業主特別加入（任意労災）

② 鋼板の切断作業中の切創事故
事例	金切りばさみ使用時に手を滑らせ、鋼板の端で手のひらを深く切傷
結果	腱損傷による手術・療養2ヶ月
補償内容	労災保険での療養補償＋追加で所得補償保険を適用
対応保険	法定労災＋所得補償保険（任意加入）

◆ 賠償事故の事例

① 飛散した板金部材による車両損傷
事例	強風で仮置き中の板金材が飛び、隣接駐車場の車に衝突
損害内容	車の修理費用・代車費用約40万円
対応保険	請負業者賠償責任保険（対物事故）

② 施工ミスによる雨漏り被害
事例	板金継ぎ目の施工不良により雨漏りが発生し、室内に水濡れ被害
損害内容	天井・内装の復旧費、家財の損害など計100万円以上
対応保険	生産物賠償責任保険（施工後補償）

③ 工具の落下による第三者負傷事故
事例	高所作業中にインパクトドライバーを落とし、下にいた見学者に直撃
損害内容	通院・治療費、慰謝料などで約200万円の賠償請求
対応保険	請負業者賠償責任保険（対人事故）