建設業界の推移と今後の予測

建設投資、許可業者数及び就業者数の推移

以下の推移表によれば、建設投資額、建設業者数、そして建設業就業者数の3つの指標が過去数十年間で大きな変動が読み取れます。

【出典】国土交通省:2023年3月29日発表 「建設業を巡る現状と課題」

【出典】国土交通省:2023年3月29日発表 「建設業を巡る現状と課題」

  • 注1 投資額については令和元年度(2019年度)まで実績、令和2年度(2020年度)・令和3年度(2021年度)は見込み、令和4年度(2022年度)は見通しです。
  • 注2 許可業者数は各年度末(翌年3月末)の値です。
  • 注3 就業者数は年平均。平成23年(2011年)は、被災3県(岩手県・宮城県・福島県)を補完推計した値について平成22年国勢調査結果を基準とする推計人口で遡及推計した値です。

解説

平成4年度には、建設投資額が約84兆円に達し、これはピークとなりました。しかし、その後急激に減少し、平成22年度には約42兆円にまで落ち込みました。これは約50%の減少を意味します。この減少は、日本経済全体の停滞やバブル崩壊後の経済的な余波が影響していると考えられます。

さらに、平成22年度以降は投資額が増加傾向にあり、令和4年度には約67兆円に達する見通しとなっています。しかし、この数字はピーク時と比べて約20%の減少となり、依然として回復途上にあることが分かります。

次に、建設業者数については、平成11年度末に約60万業者でピークを迎えましたが、令和3年度末には約48万業者と約21%の減少が見られます。建設業者数の減少は、経済の停滞だけでなく、業界の競争激化や中小企業の経営難が影響している可能性があります。

特に、中小零細企業が多い建設業において、経営の安定化が重要な課題となります。

さらに、建設業就業者数に目を向けると、平成9年には685万人に達し、これがピークとなりましたが、令和4年には479万人と約30%の減少が見られます。この減少は、日本の少子高齢化が進行する中で、若年労働者の不足や高齢化による退職者の増加が大きな要因となっています。特に建設業では、肉体労働が中心となるため、高齢労働者の体力的な限界が早期の退職に繋がる可能性があります。

以上の現状を踏まえると、今後の課題としては以下の点が挙げられます。

若年労働者の確保と育成: 労働力不足を解消するためには、若年層の建設業への参入を促すとともに、技能訓練やキャリアパスの明確化を図ることが必要です。また、働きやすい環境整備や安全対策の強化も重要です。

技術革新と生産性向上

少子高齢化に伴う労働力の減少に対処するため、建設業においてもデジタル技術や自動化技術の導入が求められています。これにより、労働生産性の向上とコスト削減が期待されます。

中小企業の支援強化

中小建設業者の経営安定化を図るためには、政府や業界団体による支援策の強化が不可欠です。特に、資金繰りの改善や技術支援、または取引環境の整備が重要な課題となります。

長期的な投資の安定化

建設投資額は回復傾向にあるものの、長期的な視点での投資の安定化が求められます。政府や民間セクターが連携して、持続可能なインフラ整備や都市再開発プロジェクトを推進することが必要です。

総じて、日本の建設業界は、過去のピーク時からの大きな変動を経験しつつも、今後の課題を克服することで、持続可能な発展を目指すことが求められます。労働力の確保、技術革新、中小企業支援、投資の安定化といった課題に取り組むことで、業界全体の再活性化が期待されます。

労働力不足などによる、予期せぬ事故や災害が発生する可能性があります。従業員や下請け業者の安全を守るだけでなく、第三者への損害をカバーするためにも工事保険は欠かせません。

ご相談やご依頼など

ご契約までは無料!今すぐご相談ください!
建設保険・工事保険を知り尽くした建設業専任のスペシャリストが、
わかりやすく丁寧にご説明いたします!

このサイトは概要を説明したものです。
詳しい内容につきましては、
取扱代理店または損保ジャパンまでお問い合わせください。